COLUMN

オレンジワインとは。ウクライナのオレンジワインの魅力

「オレンジワイン」をご存知ですか?

今、世界中のワイン通から注目を集めているワインの一種です。
2000年代から、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインと並ぶワインのカテゴリーとして認知され、そのオレンジがかった鮮やかな色と、ふくよかな果実味に多くの人が魅了されています。

ウクライナワインを取り扱う弊店でも、2種類のオレンジワインを販売中です。この記事では、そんな弊店一押しのオレンジワインの魅力や歴史について詳しくお伝えします。新しいワインに挑戦したい方や、ワインにもっと詳しくなりたい方は、ぜひチェックしてみてください。

 

オレンジワイン入門

オレンジワイン

オレンジワインと聞くと、オレンジで造ったフルーツワインを想像する方もいるかもしれません。

しかし、オレンジワインとは白ブドウで造られたワインであり、液色が鮮やかなオレンジ色であることから、イギリスのワイン商が2000年代に「オレンジワイン」として売り出しはじめ、そのように呼ばれるようになりました。

オレンジワインの発祥地であるジョージアでは、琥珀色を意味する「アンバーワイン」とも呼ばれています。

■オレンジワインはどんなワイン?

オレンジワイン

簡単に言うと、オレンジワインとは、白ブドウを使って赤ワインの製法で造られたワインのことです。
果皮や種子をのぞいた果汁だけを発酵させて造る白ワインとは異なり、オレンジワインは粉砕した白ブドウを丸ごと発酵し醸すことで造られます。
白ブドウを使っているオレンジワインは、大きく分けると白ワインの仲間に分類されます。

その見た目はロゼワインによく似ているオレンジワインですが、ロゼワインが黒ブドウを使って白ワインの製法で造るワインであるのに対し、オレンジワインは白ブドウを使って赤ワインの製法で造るワインであることから、ロゼワインとオレンジワインはカテゴリーとしては対極にあると言えるでしょう。また、果皮にアントシアニン色素をふくまない白ブドウで造るオレンジワインの液色は、溶出した黄色系色素によって決まります。

 

■オレンジワインの独特の風味と質感

オレンジワインは、白ワインと赤ワインの双方の魅力を併せもつワインだと言われます。
赤ワインの重厚さと多彩な表情、白ワインの甘くて濃厚な果実味と鮮やかな色合いを楽しめるワインです。

オレンジの皮のような少しの苦みを感じる柑橘系のニュアンスや、蜂蜜、ヘーゼルナッツ、アプリコットなどさまざまな香りも楽しめます。

 

オレンジワインの歴史

オレンジワインは、2000年代にイギリスの商人たちが世界中に売り出されるようになったワインであり、歴史が浅いワインのように感じられます。
しかし、オレンジワインの起源を調べると、その発祥は8000年も前からワイン造りをしている国ジョージアにたどり着きます。

ここからは、そんなオレンジワインの数奇で長大な歴史をご紹介します。

■オレンジワインはジョージアで生まれた

オレンジワインは、ワインの発祥地であるジョージアで生まれました。ジョージアは8000年前からワイン造りに取り組んでいる国であり、黒海とカスピ海を結ぶように連なるカフカス山脈の周辺の「コーカサス地域」に位置しています。
コーカサス地域はブドウの原産地としても知られ、この地域ではワイン造りも長く行われてきました。
ジョージアの遺跡からはブドウの種が入った土器も発見されており、その歴史の古さがうかがえます。

■ジョージアのクヴェヴリ

クヴェヴリ

ジョージアでは、クヴェヴリと呼ばれる卵型の壺につぶした白ブドウを入れ、果皮や種を果汁とともに発酵させて白ワインを造っていました。

クヴェヴリは、900〜1200度の高温で焼かれる素焼きの壺。そのサイズは小さなものから、大人一人が入れるほど大きなものまで、さまざまだったようです。

つぶした白ブドウを入れたクヴェヴリは、地中に埋められます。地中で醸造が進むことで、人工的に温度管理はできないものの、比較的安定した温度でワインを発酵させられます。2013年には、このクヴェヴリを使うワイン製法がユネスコの無形文化遺産に指定されました。

ちなみに、ワインに関連するユネスコ登録は数多くあり、そのほとんどは、ブルゴーニュのクリュやサンテミリオン地区の街並みなどの「ワイン造りの景観」が認定対象でした。しかし、ジョージアのクヴェヴリを使ったワイン製法のユネスコ登録は、ワインの製法自体が認められた希少なものであり、これはワイン史上初の快挙でした。

■古代の伝統から現代へ

クヴェヴリという、素晴らしい伝統から生まれたオレンジワインでしたが、ジョージアが旧ソ連の支配下にあったことから、長い間、国際市場に出回ることはありませんでした。

そして、オレンジワインの製法も少しずつ忘れ去られ、一時期は歴史から姿を消してしまいました。

オレンジワイン

しかし、1990年代後半に、自然派ワインの造り手であったイタリア・フリウリ州の生産者グラヴナーが、ジョージアの独特の製造方法に注目します。
ジョージアのワインにインスパイアを受けたグラヴナーが1998年にはじめて造ったオレンジワインがワインジャーナリストから高い評価を得たのをきっかけに、オレンジワインは世界中に広がっていきました。

そして、現在、オレンジワインは本場のジョージアだけでなく、近隣のウクライナやイタリアなどのヨーロッパ各国、新世界のオーストラリアやカリフォルニア、そして日本などでも造られています。

 

オレンジワインの繊細なプロセス

独自の製造方法で造られるオレンジワイン。
ここからは、オレンジワインの製造方法が生み出す多彩な味わいや魅力をご紹介します。

■皮の接触が生み出す奥深い味わい

オレンジワイン

ブドウの果皮や種には、香り成分やタンニンが多く含まれています。
そのため、果皮や種も果汁とともに発酵させて造るオレンジワインは、複雑で濃厚な香りが楽しめるのが特徴です。
柑橘系の香りやスパイス感、蜂蜜のような甘みや、ヘーゼルナッツのようなまろやかな味わいなど、オレンジワインは奥深い味わいを楽しめるワインなのです。

■オレンジワインづくりのこだわりとは

オレンジワインは、添加物の少ないナチュラルワインとして人気を呼んでいます。

通常、オレンジワインの原料である白ブドウの種や果皮には、酸化防止剤の役割を担うタンニンが含まれています。
しかし、白ワインは果皮や種をのぞいた果汁だけを発酵させるため、タンニンがほとんど含まれておらず、その分、ワインの酸化を防ぐ亜硫酸を多く添加する必要があります。

一方で、オレンジワインは同じ白ブドウを使ったワインですが、タンニンを含む果皮や種も発酵させるため、添加物を減らせます。
ナチュラルワインの生産者たちは、白ワインをオレンジワインとして造ることで、ワインへ加える添加物を減らすことができました。

このように、オレンジワインの製法は、近年のナチュラル志向に合わせて、世界中に広がっていったこだわりの製法だと言えるでしょう。

 

ウクライナのオレンジワイン

弊店で取り扱っているオレンジワインを2種類ご紹介します。

■ウクライナのオレンジワイン①アルビナ

アルビナオレンジ

「アルビナ」は、パイナップルやハチミツ入りのカモミールティ、白コショウのような香りが魅力の辛口オレンジワイン。
また、シェリー酒や紹興酒のようなニュアンスも併せもっているので、中華料理にピッタリです。
その繊細で豊かな香りをぜひご堪能いただきたい一本です。

■ウクライナのオレンジワイン➁トラミネールオレンジ”W”

トラミネールWオレンジ

年に1回、限定1100本だけ生産される「トラミネールオレンジ”W”」。
フレンチオーク熟成のノンフィルタの辛口オレンジワインです。
熟した果実やバラの花のような爽やかな香り、辛口ながらふくよかで上品な味わいをお楽しみいただけます。

 

オレンジワインにおすすめのおつまみ

赤ワインと白ワインの魅力をあわせもつオレンジワイン。
そのコクの深さや、豊かな香りはさまざまな料理と相性抜群です。
ここからは、オレンジワインに合うおつまみについてご紹介します。

■オレンジワインと料理の相性

香辛料の香りが強いインド料理や韓国料理などは、ワインと合わせるのが難しいと言われていました。
しかし、そんなお料理でも、赤ワインと白ワインの中間の特徴をもつオレンジワインなら、ちょうど合わせやすいと言われます。
オレンジワインが出現するまでは考えられなかった新たなフードペアリングがたくさん生まれているのです。
オレンジワインは、味わいの新しさから、世界中のトップソムリエたちからも注目を集めています。

 ■オレンジワインに合うおつまみ①アルビナ

シェリー酒や紹興酒のニュアンスを含む香りが豊かなアルビナは、しめ鯖やチーズフォンデュ、中華料理全般にとても良く合います。
エビチリや春巻き、シュウマイなどのご家庭で食べられるものから、牛バラ肉のオイスターソース煮込みや、花椒を使った四川料理。
また、スパイスの効いたカレーとも相性抜群です!
オレンジワインのたっぷりとした豊かな果実味が、素材のうま味をしっかり支え、お互いの味わいを引き立てます。

■オレンジワインに合うおつまみ➁トラミネールオレンジ”W”

トラミネールオレンジ”W”は、ピンクグレープフルーツと鮮魚のカルパッチョ、レバーのパテのほか、ワインと合わせるのが難しいとも言われるエスニック料理とも相性がよいでしょう。
お料理のスパイス感と、ワインの香りが織りなすハーモニーをぜひお楽しみください。

 

オレンジワインとお客様の出会い

「オレンジワインはとても癖になる味わい」お客様の声

 オレンジワインを初めて飲んだのは、ジョージアのオレンジワインです。その時の印象は、アプリコットやびわの果実味と紅茶の様な渋み、馴染みのないワインでしたがとても癖になる味わいでした。ジョージアの郷土料理ヒンカリという水餃子のような料理があり、その時の水餃子とマリージュが忘れられず、今でも餃子やシュウマイなどのお料理と楽しみます。

「オレンジワインはお料理と共に楽しむワイン」お客様の声

オレンジワインを初めて知った時は、果物のオレンジから造られているのかと思いました。赤や白ワインにはない、フレッシュな味わいが更にお料理を引き立ててくれ、ワインだけを楽しむというよりかは、お料理と共に楽しむワインだなと思いました。