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土着品種ワインとは?週末のワインライフを格上げする秘密の品種

忙しい日々のなかで、ワインとともにのんびり過ごす週末を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

今回、ご紹介するのは、そんな週末のワインライフをさらに特別にしてくれる「土着品種」についてです。お気に入りのブドウ品種から冒険したい人や、さまざまなスタイルのワインを楽しみたい人は、ぜひチェックしてみてください。

土着品種とは?

世の中に流通しているワインの多くは、世界各地で広く栽培されている「国際品種」からつくられたものです。たとえば、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールといった品種は有名ですよね。
しかし、国際品種とは別に、限られた地域で代々大切に守り育てられてきた「土着品種」と呼ばれるブドウ品種があります。

土着品種は、国際品種に比べてマイナーなブドウ品種ですが、国際品種にはない魅力をたくさんもっています。
ワイン界の隠れた名品とも言われる土着品種ワインを味わって、知られざるワインの世界へ足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

■土着品種はどう読む?

なかなか見慣れない言葉ですが、「土着品種(どちゃくひんしゅ)」と読みます。
土着は、その土地に長く住み着いているという意味をもち、土着品種のほかにも、先祖代々その土地に住んでいる人々のことを意味する「土着民族」や、その地域でのみ信仰されている宗教を指す「土着宗教」などでつかわれます。

土着の意味をそのまま当てはめると、土着品種は「その地域で先祖代々つくられている品種」という意味になりますが、多くの場合は、限られた地域で古くから栽培されているワイン用のブドウ品種のことを指します。土着品種は、「地ブドウ品種」とも呼ばれることもあります。

土着品種について

■土着品種はどのようにして生まれたの?

ワイン用のブドウ品種と言えば、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネなど、有名な国際品種を思い浮かべる人が多いでしょう。
国際品種の多くは、ワインの主要産地のひとつであるフランスに起源をもち、高品質なワインがつくれるブドウ品種として世界中で栽培されるようになりました。

しかし、いくらフランスで美味しいワインがつくれるブドウ品種だとしても、フランスの冷涼な気候とは異なる地域で育ててしまっては、なかなか美味しいブドウは実りません。
生産地の気候や土壌に適応したブドウ品種ではないからです。
こうした背景から、国際品種の栽培が広がる一方で、各地でブドウの品種改良が繰り返され、その結果、地域の気候や土壌に適した品種が土着品種として栽培されるようになりました。

■土着品種がワイン産業に与えた影響

国際品種は、消費者の間でも高品質なブドウ品種であると広く認知されており、国際品種でつくられたワインの需要が高いことから、世界中のブドウ畑に植えられるようになりました。
20世紀末のシャルドネブームの頃には、シャルドネを植えるために土着品種が引き抜かれた畑もあったそうです。

しかし、今では、土着品種の価値に多くの人が気づき、ワイン愛好家の間ではワイン界の隠れた名品として土着品種ワインは注目されています。
地域の風土や歴史、文化をも反映した貴重な遺産でもある土着品種は、ワイン産業の魅力を底上げし、ワインの多様性を生み出していると言えるでしょう。

土着品種のワインの特徴

土着品種のワインの特徴

貴重な土着品種のワインですが、その魅力は単なる物珍しさだけではありません。
栽培エリアの環境に適したブドウである土着品種は、その土地の魅力を最大限に引き出せる品種でもあるのです。
ここからは、そんな土着品種ワインの特徴をお伝えします。

■味わい、香り、色などの特性は?

土着品種ワインの魅力のひとつは、その味わい、香り、色味などの特性から、ブドウが育った環境を想像できることです。
たとえば、スペイン・ポルトガル沿岸部の土着品種であるアルバリーニョは、海風のミネラル感が味わえるブドウ品種ですが、これは、暖流によって暖められ湿った空気が偏西風に乗って流れ込む地域で育ったことを想起させます。

ほかにも、ジョージア全土で広く栽培されているサペラヴィは、土地の風土によってその香りを変えます。
山間の冷涼な地域で育ったサペラヴィは、ベリーなどの赤系果実が香るまろやかなワインに、暖かい地域で栽培されたものは、黒系果実味や肉の風味が楽しめるワインになると言われています。

土着品種の特性

■一般的な品種と何が違うの?

国際品種が多く出回るなかで、それでも、土着品種が各産地で古くから親しまれ、つくり続けられているのには理由があります。
それは、土着品種がその土地の魅力を最大限に引き出せるブドウ品種であり、土着品種のワインが美味しいからです。
マイナーなブドウ品種だからと敬遠するのではなく、ワインの多様性が感じられるブドウ品種として、土着品種を
楽しんでみませんか。
各地のワイナリーがその土地でつくれる一番美味しいワインをもとめて、大切に育ててきた土着品種のワインをぜひご賞味ください。

■編集部が厳選した土着品種ワイン

Vino Pioner編集部が厳選した土着品種ワインを4本ご紹介します。

テルティ・クルック

テルティ・クルック

テルティ・クルックは、ウクライナの土着品種のひとつです。
房のカタチがキツネの尾に似ていることから、「キツネのシッポ」という意味のテルティ・クルックと名付けられました。
ウクライナのなかでも2つのワイナリーでしか栽培されていない貴重なブドウ品種であり、Vino Pionerがご提供するテルティ・クルックは、黒海沿岸のオデッサ州
にあるシャボーで栽培・醸造されたもの。グレープフルーツのような柑橘、黒海のミネラルが感じられるスッキリ爽やかな辛口の白ワインです。

スホリマンスキー

スホリマンスキー

ウクライナの土着品種スホリマンスキーは、まわりに草原や湖のある畑という限定的な自然環境下でしか栽培できない、非常に珍しいブドウ品種です。
そんなスホリマンスキーでつくられたワインは、淡く透明感のある味わいが特徴で、アミノ酸やミネラルも感じられます。
また、青りんごの様な酸味と、日本酒の様な吟醸香を含んでおり、これからの季節、おでんや、白子ポン酢、お寿司などにも相性抜群です。

チェルセギ

チェルセギフューセレッシュ

チェルセギフューセレッシュはハンガリーの土着品種ですが、Vino Pionerがご提供するチェルセギは、ウクライナのザカルパッチャ州にあるワイナリー チザイでつくられています。
太陽と降雨量に恵まれたミネラル豊富な土地で栽培され、程よい酸味と水の綺麗さが感じられる辛口の白ワインです。アプリコットや紅茶、白い薔薇のアロマ漂う一品です。

サペラヴィ

サペラヴィ・エース

ジョージア原産の地ブドウ品種であるサペラヴィは、世界最古と言われるほど歴史のあるブドウ品種のひとつです。
ジョージア全土で栽培され、冷涼で高度な地域では赤系果実のアロマが強く出たまろやかなワインに、暖かい地域ではジューシーな黒系の果実味が味わえるワインになると言われています。
Vino Pionerが取り扱うサペラヴィは、ウクライナのザカルパッチャ州でつくられており、
ブドウ本来の果実味、濃厚な飲みごたえと適度で滑らかなタンニンが特徴です。牛肉のハンバーグ、焼肉、ジビエなどにもとても良く合います。

■ワインの特徴とおすすめのおつまみ

ご紹介した4本のワインの特徴と、ペアリングにおすすめのおつまみをご紹介します。
土着品種は、栽培エリアの風土が色濃く表れるブドウ品種です。
ぜひワインがつくられた地域でよく食べられているお料理と一緒にお召し上がりください。

テルティ・クルック
テルティ・クルック
ウクライナの土着品種であるテルティ・クルックは、黒海のミネラルが感じられる辛口の白ワインです。
ワインの透明感と瑞々しさが、魚料理にマッチします。

ウクライナの魚料理といえば、コイなどの川魚をつかったお料理。とはいえ、日本では食用のコイはなかなか手に入らないので、サケやウナギなどの日本でも比較的手に入りやすい川魚をつかった一品と合わせてみてはいかがでしょうか。川魚の風味が、ワインの豊かなミネラル感のある味わいとうまく調和します。
また、アヒージョなどのオイリーなお料理にもとても良く合います。

川魚と白ワイン

スホリマンスキー

スホリマンスキー

スホリマンスキーの青リンゴの風味を備えたクリーンな果実味と瑞々しいフレッシュな味わいは、魚介のアヒージョや魚の塩焼きなど、魚のうま味と風味を楽しむお料理と相性抜群です。

ウクライナ料理の前菜 ザクースキでもよく出されるニシンの塩漬けともよくマッチします。
ヘーゼルナッツやチェリープラムのようなオイリーな味わいと、ニシンのうま味とが自然に寄り添い、引き立て合うでしょう。
日本酒のような吟醸香も感じられるので、和食全般にもオススメです。

ワインに合う魚料理

チェルセギ

チェルセギ

チェルセギは、程よい酸味と水の綺麗さが感じられる辛口の白ワインです。白桃やアプリコット、リンゴなどの甘く爽やかな香りが、パエリア、豚肉のグリル、串揚げ、天ぷらなどのお食事とも調和し、口内をすっきりとまとめ上げてくれます。

ウクライナ料理のサーロと呼ばれる豚の脂身の塩漬けとも相性抜群でおすすめです。チェルセギの豊かなミネラル感が、サーロの脂身の濃厚なうま味をぐっと引き出してくれますよ。

サーロ

サペラヴィ

サペラヴィ・エース

ウクライナのザカルパッチャ州でつくられたサペラヴィは、ジューシーな果実味と程よいタンニンが特徴の赤ワインです。

ウクライナ料理のひとつであるシャシリク(肉の串焼き)や、牛ステーキ、焼肉などの肉料理のうま味をしっかり支え、味わいのボリューム感をマッチさせるペアリングがおすすめです。

シャシリク

土着品種ワインの購入ガイド

土着品種の魅力を少しでもお伝えできたでしょうか。いつもとは違うブドウ品種のワインを飲みたくなった人へ、土着品種ワインのご購入はこちらです。>

■土着品種ワインを購入する際のポイント

世界中に広く流通し、その味わいもよく知られている国際品種と比べると、土着品種ワインの味わいは個性的だと感じることがあるかもしれません。
しかし、土着品種は、ワイナリーが生産地で一番美味しいワインをもとめて、大切に栽培しつづけてきたブドウ品種です。
地域の人々に古くから親しまれている味わいだと思って、ぜひお楽しみください。


■土着品種ワインを購入できるオフライン店舗

■土着品種ワインとお食事が堪能できるお店